橋爪/村井先生、よろしくお願い致します。
先回は、食事をきちんと摂らないと体内時計が狂ってしまうということ、また、いろいろな不調が起きてくるということをお聞きしましたけれども、今回は、具体的にどんな不調が起こってくるのか、ということをお尋ねしたいと思います。
村井/そうですね。やはり栄養不足になると、いろいろなところに支障が出てきますが、もしビタミンB群が不足すればエネルギー代謝に支障が出てしまって、エネルギーがちゃんと生まれないとか、だるくなってしまったりとか、いらいらしたりしたりとか、精神的にも不安定になります。
橋爪/何か自分がいらいらしたり、精神的に不安定だったりということが、栄養が足りないせいだと思っていない方もいらっしゃいますね。
村井/私も昔はそうでしたが、気分が極端に落ち込むのはどうしてだろうと分からなかったのですが、いろいろ調べてみてやはり栄養に関係があったことがわかりました。
橋爪/何か、周りのせいにしたりしますが、先ず、自分の食事のことを考えてみる必要がありますね。
村井/以前、歩いていて息切れがしたり、階段を上っていてつらかったりしましたが、それは肥ったからだろうと思いましたが、そうではありませんでした。血液検査をしたら貧血だったのです。鉄分が足りなかった訳です。若い方でも鉄分が足りなくて、なんだか気力が湧かないとかいうことがあります。そのように思いあたったら、鉄分不足かなと考えて鉄分を補ったり、血液検査をしに行ったりして頂きたいです。
橋爪/若い女性の方は、肥るのを気にして食事制限をしていると貧血になってしまうことがありますね。
村井/そこに気づいて頂きたいですね。それから今は、コロナ禍で栄養不足で免疫力が落ちてしまいます。
橋爪/そうですね。やはりコロナ禍で免疫力が落ちてしまうというのはまずいですね。
村井/免疫力を上げるには腸内環境を整えて頂くことですね。免疫を司っている免疫細胞の6~7割が腸に存在している訳ですので、腸内環境を整えないといけないですね。
橋爪/でも、一口に腸内環境を整えると言っても、どうやって整えたら良いのかと思いますが。
村井/やはり、腸内細菌の餌である食物繊維をしっかり摂ることが必要です。オリゴ糖とか発酵食品を摂ることが重要です。そして、腸以外にも免疫力を維持するために、ビタミンCを摂ったり、ビタミンAとか、また最近凄く注目されているのがビタミンDですね。昔は骨の生成に関与していることが有名でしたが。
橋爪/だから、子供に日光浴をさせましょうとか。
村井/子供のくる病予防には日光浴が良いということでした。今はコロナ禍で、その日光浴もできないということで、ビタミンDを食事から摂ることを考えないといけない時代になりました。そのビタミンDは、実は睡眠にも関係していますが、セロトニンの減少を抑制する働きもあることが最近分かってきました。ビタミンDをしっかり摂りたいですね。
このビタミンDは何に入っているかと言うと、干しシイタケ(更に干すと増えます)、魚の鮭に良く含まれているのでしっかりと摂って頂きたいです。その他、免疫に関係するものは亜鉛(牡蠣とかウナギのかば焼きとか)、マグネシウウム(ナッツ類、大豆、ヒジキ)、セレン(カツオとかマグロの刺身に含まれている)、こういうものを摂ると免疫力がアップできます。
橋爪/今聞いていますと、特別なものでなくて普段食べているものでも十分摂れる訳ですね。
村井/1日3回、ちゃんと食事を摂っていれば問題ないと思いますが、ただ、最近1食しか食べないとか、2食しか食べないという方が非常に多いので、そこは気を付けないといけないですね。
橋爪/スナックで済ませたりする人もいますね。
村井/免疫に関してメラトニンが最近注目されていて、夜のお仕事が多い看護師さんとかキャビンアテンダントさんとか、そういう方が、光のもとで仕事をすると免疫力が下がって、乳がんに罹る率が高くなっているのではないかとの報告が出ています。夜は、光を浴びないようにスマホなどいじらずに、暗くして早く寝るのが、免疫にとっても一番良いです。
橋爪/看護師さんやキャビンアテンダントさんでなくても、夜更かしして光をつけてスマホを見ていたり、作業をしていたりすると同じ事が言えますね。
村井/そういう方が多いと思いますので、免疫力アップのためには、夜の光に気を付けて、ビタミンDとかビタミンCとかビタミンAを摂りとかで、腸内環境を整えることをしっかりやって頂きたいと思います。
橋爪/今お聞きしたようなメニューを整えることと、やっぱり、夜明るい光に当たらないことが必要ですね。また、子供さんにはお母さんが注意してあげないといけないですね。
村井/そうですね。部屋で隠れてスマホをいじっていたり、ユーチューブをみたりしているとかは控えて頂きたいですね。
橋爪/それも成長に関わってくると思いますので、きちんと睡眠をとらせたいと思いますね。
では、また次回この続きを聞かせて頂きたいと思います。
村井先生、ありがとうございました。 |