Q&A / SAS睡眠時無呼吸症候群に関するよくある質問

Q1

いびきが大きいと家人から言われているのですが、睡眠時無呼吸症候群でしょうか。


A1

いびきが大きくても、呼吸が止まらなければ睡眠時無呼吸症候群ではありません。
上を向いて寝ていて、突然いびきが静まったときに呼吸しているかどうか、家人に確かめて貰ってください。鼻紙を細長く切りとり、鼻の前に垂らします。
揺れたら呼吸しています。度々止まるようでしたら、専門医に診て貰うことをお勧めします。


Q1

自覚症状には、どのようなものがありますか。 寝ている間のことなので、自分では呼吸が止まっているかどうか分かりません。 呼吸停止以外の、自分で分かる症状はないのですか。


A1

自覚症状は、昼間の強い眠気です。睡眠時に呼吸が止まるので、熟睡できません。
このため、昼間に強い眠気が頻繁に起こります。眠気の度合いを自問自答し、睡眠時無呼吸症候群かどうか、自己診断できる簡単なチェックについては「自分で出来る簡易診断」のページをご覧下さい。
眠気のほかは、集中できない、疲れる、寝起き悪い、熟睡感がない、起床時に喉がカラカラになっている、などの症状が起こります。


Q1

どのような害がありますか。


A1

治療しないと、生活習慣病の原因となったり、悪化させたりします。
詳しくは、「睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病を悪化させる」のページをご覧下さい。


Q1

睡眠時無呼吸症候群の原因は、何ですか。


A1

主な原因は、舌が喉に落ち込み、喉を塞ぐことにあります。
上を向いて横たわると、舌が喉に落ち込みます。目を覚ましている時には、舌を持ち上げる筋肉が呼吸の度に収縮し、舌を持ち上げ、空気を通します。
しかし、眠るとこの筋肉の働きが悪くなります。十分に舌が持ち上がらないといびきをかき、全く上がらないと呼吸が停止し、無呼吸となります。
喉が狭いと、無呼吸を起こしやすくなります。肥満は、喉を狭くしますので、無呼吸に良くありません。


Q1

治療方法は?


A1

一番簡単な方法は、横を向いて寝ることです。
しかし、寝返りを打ち、上を向いてしまいます。このため、万全ではありません。
寝姿に関係なく効果があるのは、シーパップ(CPAP)です。この方法は、マスクを付けてその中にポンプで空気を少し送り、その圧力で喉を開き呼吸を維持 するものです。マウスピースを付けて寝る方法もあります。詳しくは、「睡眠時無呼吸症候群の治療法」のページをご覧下さい。


Q1

CPAPで治癒するのですか。


A1

CPAPを付けて寝ると、呼吸は維持されますが、外すと止まります。
丁度、近眼と眼鏡の関係と同じです。しばらくCPAPを付けると、治癒するというものではありません。


Q1

健康保険は、きくのですか。


A1

CPAPもマウスピースも保険適用されます。しかし、CPAPは、重症の場合のみです。


Q1

治療薬はありますか。


A1

残念ながら、はっきり効果のあるものは、開発されていません。


Q1

何科にかかればいいですか。


A1

睡眠障害、いびき外来などを専門とする呼吸器科、耳鼻科、精神科で、マウスピースは歯科です。


Q1

大きな病院なら診察してくれますか。


A1

そうとは限りません。病院の規模は関係ありません。睡眠時無呼吸症候群を専門とする医師や病医院は非常に少ないので、インターネットで調べるといいでしょう。調べても見つからない場合は、当会にお問い合わせください。


Q1

処方された薬(降圧剤)を途中でやめたいのですが。


A1

処方は医師が必要として出しているものですので、医師の指示のもと継続、中断は決めていくようにしてください。


Q1

耳鳴り、めまいがありますが、枕で治せないのでしょうか。


A1

めまいがSASの症状として現れることがあります。実際にSASが原因でのめまいがCPAP着用で治った患者さんもいます。但し、耳鳴り、めまいは耳鼻科的な疾患の場合があるため専門の耳鼻咽喉科に一度は受信されて下さい。これらの症状を枕で改善するのは難しいです。


Q1

SASかどうか判る方法はないのでしょうか。


A1

自覚症状を客観的に判断するにはSAS関連のホームページに掲載されたSASセルフチェック表などを用いてみるとよいかと思います。その上で疑わしいようであれば専門の医療機関で受診し、まずは簡易検査機器でご自宅で検査を行ってみることをお勧めします。

また肥満体型が必ずしもSASというわけではないため、閉経後の女性やあごの小さい人、ご両親と同じ顔つきでその方がいびきをかき無呼吸がひどかったなども疑うひとつの材料となります。


Q1

血圧と無呼吸の関係は。


A1

SASがあると高血圧の合併を起こすことがあります。夜間睡眠の分断による交感神経の亢進などその機序は多彩です。SASの治療をすることで高血圧が改善することもしばしばみられます。


Q1

子供にも無呼吸はあるのでしょうか。


A1

大人に限りません。扁桃腺肥大やアデノイドがあるとSASを合併することがあります。


Q1

いびきをなくす方法はありますか。


A1

喉を塞がないように横になって寝る癖をつけるのも一つの方法です。

枕の使用でSASがよくなるという実証データはありません。またCPAP着用の際、大き目の、尚且つ頭が埋まる柔らか目の枕のほうが頭が固定されよいかもしれません。

高い枕は喉が余計塞がってしまう可能性があります。


Q1

CPAPの器械そのものの煩わしさを解決する方法はないものでしょうか。


A1

CPAPの器械あるいはマスクなども以前に比べ音や重さあるいは性能が進化してきているので、もし可能ならば器械、マスクの変更を試みるのもいいかもしれません。メーカーによる器械の更なる進歩を期待しています。


Q1

月1度の診察を受けに行かなければならないことは何とかならないものでしょうか。


A1

現在の保険制度ではCPAPの診療は、月1回の対面診療が必要なため必ず診察に行ってください。これによりマスクやホースなどの付属品の交換や器械の不具合の点検などを適宜受けられるメリットもあるかと思います。

海外ではCPAPを購入する事ができますが、数十万円と高価であり、月々使用方法の指導も含め、病院での保険診療での治療を受けられるようお勧めいたします。


Q1

CPAP着用は一生なのでしょうか。


A1

肥満のある方が減量によりSASが改善しCPAPから離脱できるケースはあります。ただし、骨格などの問題により減量だけでは改善しない場合が多く、基本的には夜間の装着は継続していっていくことになります。


Q1

睡眠時無呼吸症候群とは、どのような病気ですか。


A1

睡眠時に度々呼吸が止まる病気です。大きくて苦しそうないびきを伴います。
呼吸が10秒以上止まり、これが1時間に5回以上繰り返す場合、または一晩に30回以上繰り返す場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS、Sleep Apnea Syndrome)と診断されます。