ごあいさつ

2003年2月26日、山陽新幹線「ひかり126号」の運転士(33歳)が運転中に約8分間眠り込み、26キロ走ったのち岡山駅で緊急停車しました。

調査の結果、単なる居眠り運転ではなく、睡眠時無呼吸症候群(略称:SAS)にかかっているため、眠り込んだと判明しました。

このことが新聞、TVで大きく報道され、SASが世に知られることになりました。

SASは、睡眠中に頻繁に呼吸が停止する病気です。

呼吸が止まるために熟睡できないので、突然眠り、交通事故の原因となるだけでなく、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病も悪化させます。

未治療の重症者では、9年間に4割の人が死亡するというデータもあります。患者は、400万人以上で、1千万人と推定する説もあります。しかし、本人は眠っているため、気付きません。このため、治療を受けている患者は、数%と言われています。

専門医や専門病院の数が少なく、何科を受診すれば良いのかも分かりません。

SASの特徴は、大きなイビキです。家族の方が大イビキに気付き、SASではないかと思われた時に気軽に相談出来る、患者同士が意見の交換をして患者の気持ちや悩みを医師に伝えてくれる、専門医を紹介してもらえる、そんな場があったらとの声が聞こえてきます。

SASは、治療を続けることによって症状がなくなり、勤務に支障を来さなくなります。しかし現状は、タクシーやトラックのドライバーが業務から外されたり、保険会社から生命保険の加入を断られたりするなど、差別を受ける事もあるようです。

多くの方にSASのことを知ってもらい、SASを治療して元気に生活してもらいたいとの思いから、単なるSAS患者友の会ではなく、多くの市民、医療機関、製薬会社、運輸や交通機関、公的機関とも連携して協働し啓発活動を推進するべく、患者とそれをサポートする仲間たちが一緒になって、2007年秋内閣府へ申請、翌2008年4月NPOとして認可がされました。

2012年4月吉日

NPO法人 睡眠時無呼吸症候群ネットワーク